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放送日 平成25年8月18日(mp3形式音声ファイルはこちら→) 
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 放送内容は、著作権の保護を受けますので、個人でお聞きになる以外のご利用は出来ません。

タイトル: 災害は我が事。まずは死なない、怪我しない。
概要: ゲストに防災寺子屋・京都代表 太田 興氏と京都市中京区役所 地域力推進室 課長補佐 足立勇一氏をお招きし、京都の地域防災についてお話しいただきました。
出演者: 太:太田 興氏 防災寺子屋・京都代表、朱八地域自主防災会専門協力員
(太田福友禅株式会社 代表取締役)
足:足立 勇一氏 京都市中京区役所 地域力推進室 課長補佐
辻:辻 真紀子氏 京都市景観・まちづくりセンター(ラジオ担当)
絹:絹川 雅則 (公成建設株式会社)

写真左から、辻氏、足立氏、太田氏、絹川

   放送内容については、無断使用を禁止させていただきます。この件についてのご連絡はこちらまで。
絹: “まちづくり”チョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
************************************************************************
絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。
いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。

■今回は地域防災のお話です
絹: さて、本日のゲストはお二方お迎えいたしております。
お一人目、太田福友禅株式会社 代表取締役 太田興さんでございます。太田さん、よろしくお願いいたします。
太: よろしくお願いいたします。
絹: 太田さんは別の顔もたくさんお持ちになっておられまして、防災寺子屋代表、一説には防災マニアのおっちゃんと(笑)。
よろしくお願いします。
そして太田さんと絡んでいただきますのは、京都市中京区役所 地域力推進室、行政のかたですね。
足立勇一さんです。
足: 去年から中京区役所で防災をやってまぁす!
よろしくお願いします。
絹: 声を聞いたらイッパツでわかりますね。
この人、ヘンな行政マンのタイプやなと(笑)。
足: もう、バリバリの行政マンです!
絹: 声が大きい。
今もね、「麦藁帽子をかぶった方が安心する」って、スタジオにおられます。
足: なにか問題でも(笑)?
絹: いやあ、中京区役所にはちょっと面白い人が・・・。
足立勇一さん、怖いもの見たさで覗きに行って下さい(笑)。
それでは今日はメインゲストお二人、太田興さんと足立勇一さん、そしてもうお一方、我らがまちセン、京都市景観・まちづくりセンターより・・・
辻: 辻真紀子です。よろしくお願いします。

■エピソード0 京都大地震は起こるのか?
 ●他人ごとではありません
絹: 辻さんは、このラジオの担当をしていただいております。
そして声は出されませんが、その上司、高橋ありすさんがカメラを構えています。よろしくお願いします。

では、今日のメインタイトルを申し上げます。
「災害は我が事。まずは死なない、怪我しない」
今日は地域防災についてのお話をさせていただきます。
それではまずエピソード0から参ります。さあ、お二方のどちらからまいります?
今、京都は、西日本は、ヤバイですか?
太: そうですね。ヤバイと思いますよ。
地震には、海のほうで起こる地震と、陸のほうで起こる地震がありまして、海のほうで起こる地震というのが、例えば東日本のように大きな津波をもたらしたりする。
それが西日本の場合は、100年とか150年に1回、起こるんですね。
それが起こる前に、内陸の方で50年間くらいスパンですか、地震がぱらぱらっと起こって、最後に仕上げとして、海の方からの大きな地震があるというのが、西日本の地震のパターンなんですね。
ですから阪神・淡路大震災のあたりから、陸の方の地震が増えてきて、最後に、あと20年、30年先に海の方の地震がある。
南海トラフと呼ばれるものが心配されているわけです。
絹: 太田さん、阪神・淡路って、あれ、何年前でしたっけ?
太: 1995年ですね。私が結婚して一月半目でした。
絹: 95年・・・。
僕、あの時、子どもが小さくて、嫁との布団の間に子どもが寝ていて、ガバッと起きて、嫁と目を合わせて、思わず二人して子どもの上に覆いかぶさった、それだけしかできひんかった。鮮烈です。
太: 私もちょうどあの時、結婚してすぐ西宮に住んでいまして、地震が起こったんで『これは嫁さんの上に覆いかぶさっておいたら、10年くらいは言うてもらえるかな』と、スワっとそれをやりまして、10年くらいは効果がありましたね(笑)。
そういう判断を揺れるなか、瞬時にしたという(笑)。
足: この前の淡路島のときは、しなかったんですか?
太: それはしませんでした。その時は音がちゃんと鳴りましたしね。
絹: ありがとうございました。我が事のように思い出しました。
さて、危ないと。そういうタイミングに来ていると・・・。
脅かすわけではないけれども、たぶんそうですということですね。
太: そうですね。
その辺のところをご理解いただけば、色々いま、巷で言われているところの、地震に対してのお話なんかを、より『これは危ないからだ』と親身になって、自分のこととして聞いていただけるんじゃないかと思って、今色んな活動をしているんです。
絹: そうですね。「災害は我が事、他人事とちゃうで」と。
「自分事にひっぱり戻してね」ということを太田さんも、足立さんもずっと普段から言い続けておられると。

さっき、非常にわかりやすい例えを使っておられましたね。
「ペキペキ」やとか「ポキポキ」やとか・・・。

 ●ベニヤ板を曲げて跳ね返るのをイメージしてーこれが南海トラフ!
足: なんかほら、南海トラフって言っても、京都の人にとっては遠い話でしょ。
だからベニヤ板を使って説明するんです。
地震が起こり始めているよというのは、ベニヤ板を「ぐにゅにゅっ」と曲げて、最後に「ぼよよーん」と跳ね返るのが南海トラフ。
でも跳ね返る前に、ぐにゅっと曲げたら、細かい筋が「ピシッ」、「ピシピシッ」となりますよね。
今それがミシミシ言っている最中やから、何かのはずみで「ヘックション」となったらボーンといくわけです。
こんなふうにベニヤ板で説明したら、わかりやすいんじゃないかと思って、僕はいつもそれをやっています。
太: そうですね。大きな破壊でバキっといってしまう前に、ミシミシペキペキという前触れの音がすると。
地殻もそれと同じで、そのミシミシペキペキが内陸地震である阪神・淡路とか、鳥取とか、芸予とか、ここ20年近く続いている地震なんです。
京都にもそれは過去のパターンの中では起こっていますので、京都でも油断はできないよということを、強く皆さんにお伝えしたいところです。
足: 一番最近は何年前くらいですかね。
太: 1830年、京都大地震というのがあります。350年前?
足: そうです。よう言われますねん。
「ワシは生まれてから80年になるけど、生まれてからいっぺんも地震にはおうてないから、京都は地震はないんや」ってね。
80年ではないですよね。
絹: 300年ほど前に、京都大地震があったと。
それが先ほど打ち合わせの時に少し見せていただきました五条大橋が落ちたやつとか、八坂の鳥居が崩れているスライド・・・。
仮名草子「かなめいし」挿絵より引用
足: あ、300年じゃなかった。220年ですね。
そやけど200歳の人はいないんで(笑)。
絹: さっき太田さんが教えてくださった京都大地震は1830年でしたね。
はい、300年は言いすぎでした。すみません(笑)。

そしてそのペキペキっていう、5ミリくらいのベニヤ板を想像していただいたら、非常にわかりやすいですね。
色んな防災のセミナーなんかで、お二方はそういう例え話をされています。
で、南海トラフなんかがドカンと跳ね返るのが、ベニヤの端が戻る時やと。
真ん中がひびが入ったり、ペキペキという音が、阪神大震災だったり、芸予(地震)だと。
わかりやすいですね。
足: 内陸型は規模が小さいけれども、すぐ上に人が住んでいるから、結構被害が大きくなるということです。
絹: さて、こういうお二方です。
あちこちで乞われて、すごいところで講演されたり、セミナーを開かれたりしています。
一つは立命館の地域での防災セミナーなどをされていますし、さっきおっしゃったのは、あれは政府関係ですか?
太: 学校の方から、民間人でこういう活動をしている、かつ被災者であるという条件に合う人ということで、お声掛けをいただいて、2009年でしたか、APECの防災の部会がインドネシアでありまして、そこへ出向きまして、地域でこんな話をしているということを、活動紹介させていただきました。

■エピソード1 まずは死なない、怪我しない
 ●自分が寝ている場所を意識する
絹: リスナーの皆さん、太田興さんは、社名にありますように友禅の会社ですけれども、覚えておいた方がいいと思います。
もし依頼があれば色んなところに飛んでいっておられる方ですので、「生の話を聞かせて欲しい」というような問い合わせがありましたら、是非ラジオカフェまでご一報いただければ繋ぎます。

さて、そういう活動をされている方ですけれども、次はエピソード1に入ります。
「まずは死なない、怪我しない」
これがお二方が非常に普段大事にされているキーワードだと、先ほど教えていただきました。
足: 「まずは死なない、怪我しない」ということ。
僕は行政で防災をやっているんですが、行政は結構いろんなものを打ち出すわけです。
地域の防災を高めるために、これをやって、こんな取組みをしてってね・・・。
やるんだけれども、何をするにしても地震でぺちゃんこになった家から出て来れなかったら、何もできないわけです。
僕も阪神大震災の後、半年間向こうに支援で行っていたんですけど・・・。
絹: 行かれてたんですか・・・。
足: 建築の手伝いという形で行っていたんですけど、そのときにたくさん潰れた家があって、京都でその話をすると、こう言われるんです。
「もうええやん、このままで。潰れたらその時や」と。
たぶんそういう方々は、パンと一瞬で潰れると思ってはるんでしょうが、あれはぎゅっと押されて、窒息して亡くなるから、すごく苦しいんです。
だから是非、皆さん、思い出のある大きな箪笥があったら、その前からちょっと避けて寝るとか、いっそのことほかしてしまうとか、家の中のことは自分しかできないですよね。
誰が、どんな権力者が命令してもできない。
その「家の中で、自分がしてないことをやってね」ということを心に感じてほしいから、自分たちの経験などを話しながら・・・。

行政として話をするのではなく、講演と言うよりも、語りに行っているんです。
「そうですよね」と、語るんですよね。
そして「自分の家に帰って、お布団の場所を1メートルでいいから、ずらそうね」っていう話をずっとやり続けています。
だから「まずは死なない」って、当たり前なんだけど、「痛いですよ、苦しいですよ、一生懸命やってきて、わずか10数秒の揺れでやられるなんて、めちゃめちゃ悔しいから、そこは皆さん、一番の防災対策は、自分の寝ているお布団の場所を意識してね」というふうなことを、言って回っていますね。
本当に死んだら、人助けもないですから。

 ●危険個所を57,000ポイントも減らせます!
絹: 「まずは死なない、怪我しない」
第一撃で死なんといて、怪我せんといてと。
足立さんがさっきすごいことおっしゃった。中京区には57,000ポイント?
足: 57,000世帯くらいあるから、一つの家庭で一つ物を動かすだけで、一挙に57,000ポイントの危ない箇所が減るんとちゃうかということです。
絹: 一撃で57,000ポイント、危ないところが減らせるでと。
おふとん1メートルずらせば・・・。太田興さんが大きく頷いておられます。
太: そうですね(笑)。
地域で防災の話をして、「どんな対策をされていますか?」とお伺いすると、「水と乾パンを用意しています」と・・・
「懐中電灯もあるんですよ、偉いでしょ?」と、おっしゃいます。
非常にそれは素晴らしいことなんですけれども、例えば今までの災害で、皆さんがどうやって命を落とされたかを考えますと、水や乾パンがなかったために命を落とされたわけではないわけです。
津波とか家屋の倒壊、家具の転倒、家具の下敷き、関東大震災の場合は火災と、水や乾パンとは関係のない理由で亡くなっているんです。
ですからまず優先順位としては、水や乾パンよりも、死なない、怪我をしないための、家屋の耐震補強であるとか、家具の転倒防止であるとか、津波の時は高い所へ逃げるとか、そういったことを先にして、助かった後で、水や乾パン、避難所運営という話ですよ、ということを言っているんです。
絹: 水や乾パンは第二撃以降やと。
第一撃をなんとかしようということですね。
それともうひとつ、さっきの打ち合わせで、すごく良いことを教えてもらったんですが、怪我人16万人の説明をもう一度していただけませんか?

 ●4,000人に1人しか救急車は来ない!
足: はい。
京都の花折断層が動いた時に、最悪でどのくらいの怪我人が出るかという想定をしていて、これも想定ですからもっと増えるかもしれないのですが、だいたい京都市全体で16万人の怪我人が出る。
つまり16万人が119番をするわけです。
今は数分間で救急車が来ますが、京都市が持っている救急車は40台ほどなんですね。
だから16万割る40という計算をやってみると、4,000という数字になる。
ということは、4,000人に1人しか救急車が来ない。
3,999人待てば、乗れるんですが、つまりは来ない。
だから自分の事だと思って、備えてねと、言っているわけです。
これ、「4,000人待ちや」と言うと、皆さん「確かに、それはそうやな」となるわけです。
絹: ギョッとしますね。1台の救急車を待って4,000人が列を作っているというイメージは・・・。
足: ありえないですよね。道も走れないですし。
絹: さて、そういうことを地道に各地で講演じゃなくて、語りに行っているんやとおっしゃる太田さんと足立さんです。

■エピソード2 革新的防災訓練やります!
 ●“まちなか”が会場です
絹: 次のエピソードとして、京都市のこの月末にあるであろう、ちょっと変わった防災訓練について、ちょっと告知は早いんですが、やりましょうか。
これは、「ちょっと自分事に引き戻してよ」という、今までにない防災訓練をやろうとしとんねん!という話、足立さん、頼みます。

平成25年度「京都市総合防災訓練」交通規制
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足: はい、ありがとうございます!
8月末の31日、この暑い中をやるんですが、京都市の防災訓練をやります。
毎年、京都市の防災訓練はこの時期にやっているんですが、これまでは広場とかグラウンドとかで、防災訓練をやっていました。
去年なんかは原子力のことがあったから、北の方では原子力から逃げるというような会場もつくって、2か所でやったんですが・・・
それが悪いというのでもないんですが、今日のタイトルにあるように「災害は我が事」ということだから、わざわざグラウンドではなくて、自分の住んでいるこの町でということです。
今回11年ぶりにこの中京で会場を準備する順番が回ってきました。
これは良いことだとばかりに、まちなかでいっぺんやってみようということで、皆さんにご不便はおかけするんですが、御池通、烏丸から河原町の間を交通規制をかけて・・・。
絹: 皆さん、えらいことです。御池通が封鎖されます。
映画の撮影じゃないです(笑)。防災訓練で河原町から烏丸?
足: 河原町から烏丸です。
ずっとではありません。その日の朝7時からお昼ごろまでとめて、その中で車をたくさん止めたりして、渋滞状況を演出したり、中に色んな瓦礫を置いたりして・・・。
絹: え、渋滞の演出?
足: まあ、そこに駐車場をつくったりしたら、車が並ぶと渋滞になるんと違うかと。
今はまだずっと組んでいる途中なんですが・・・。
要は御池通を通って逃げてもらうわけですが、つまり歩道を歩くとモノが上から落ちてくるから、普段歩かない御池通を歩くと、広い広いと思っていても、あそこにたくさんの人が避難してくると案外狭いんだなということを感じてもらう。
それから帰宅困難者というのが、最近は話題になるから、今回も200名の予定で、帰宅困難の役に、中京のある学区のメンバーの方々になっていただいて、それぞれの避難所である小学校に逃げて行ってもらうと。
そこで帰宅困難者を受け入れてあげてといった訓練をするとか。
竹間学区と富有学区、初音学区、柳池学区で、それぞれ避難所を実際に自分たちでやろうと、地元の方々は今、すごく準備してもらっています。

平成25年度「京都市総合防災訓練」
市役所前詳細
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 ●地域の方々ががんばっています!
絹: それぞれの学区の方が避難所の立ち上げを、その訓練の日にあわせて、一からやってみようかと。
足: そうなんです。
ボランティアの方々も中京のある学区の方々に来ていただいて、ボランティア役としてもらうとか、つまり色んな事を総合的に、今回はグラウンドではなく“まち”自体でやろうということです。
これもご不便とか、色んな齟齬は出てくるとは思うんです。
でもそれをあえてやった方が、心の中に残るのではないかと。
それがお布団を動かすためのきっかけになれば、さっきの57,000ポイントの話に繋がるわけです。
絹: 第一撃で、57,000ポイントが、という話ですね。
足: 拠点会場というのは、市役所前広場とその前の御池通のあたりで、色んな大規模訓練をやります。
中京は23学区あって、これまでは訓練をする地域の方々が頑張ったんですが、今回の訓練範囲は今言った範囲です。
御池通を中心にして烏丸から河原町、上は丸太町くらいまで、下は三条くらいまでの学区がやるんだけれども、全部の学区が何十人単位で人を出してくれて、「我々は帰宅困難者をやるよ」「我々はボランティアとして、困っている避難所にものを届けに行くよ」というようなことを、みんながやってくれる。
そして中心部の拠点会場近くの学区は、それぞれ市役所広場に集まって、色んな訓練をみんなで協力してやるということです。
皆さんが頑張ってやってくれて、中京のみんなは偉いなあと本当に思いますね。
是非報いたいなと。
絹: えっと、8月の?
足: 8月31日です。
訓練自体は午前9時から11時までの短時間ですが、そのための準備を、今、皆さん一生懸命やっていただいているところです。
絹: 皆さん、御池通が封鎖されても驚かないで下さいね。
中京区の人が寄ってたかって、本当に自分事に引き戻すための防災訓練を企画されています。
これはたぶん今までにないことです。
さあ、太田さん。
太田さんの防災マニアのヘンなおっちゃんと言うか、防災寺子屋代表として、今回の動きは、太田さんの目にはどう映っていますか?
太: 非常に良い試みだと思います。
と申しますのは、私が地域で時々お話しするのは、「被害は現場で起きているんだ」と。
映画で「事件は現場で起きている」というのがありましたが、被害は現場で起きている。
会議室とか訓練会場とか、研究室ではないんだと。
まさに“まちなか”が、一瞬にしてこうなるんですよと。それを少しでも体験していただいて、「あ、こうなったら、こういうことが困るから、じゃあこういうふうにしておこうね」ということを、皆さんが一人ひとりがお気づきいただければ、それは大変な収穫になると思います。

 ●なければ別のものを使うという発想
太: 一言付け加えさせていただくと、バケツリレーというのを、たぶんされると思います。
絹: あ、ありました!結構長い距離に人の顔がぱっぱっと。
太: 行政さんのされるバケツリレーというのは、バケツがたくさん置いてあって、まさに用意されたバケツリレーなんですね。
だけど私の地域でやるバケツリレーというのは、バケツを少なめに置いておくんです。
バケツが当然足りなくなりますよね。
その中で、じゃあどうしようかということを皆さんに考えていただく。
その中で、普通にバケツを送っていく途中で、工事現場のラバーコーンの中に水を入れる、おなべに水を入れる、スーパーのレジ袋に水を入れる。
そんなふうにしてバケツ以外のものを、実際の現場では使わざるを得ませんよね、用意されてないわけですから。
そういう風うに、じゃあ何を使おう?
これがないからできないではなく、これがなかったら、じゃあどんな別のものを使おうという、そういう発想もトレーニングしていただきたいなと。
ですから京都市も今回は用意されたバケツでされると思いますけれども、阪神大震災の時には、水がないから、川におりていって、川を堰きとめて、それも絨毯に砂を入れて、川まで運んでいって、堰をつくって水をためて、それをまたバケツや色々なもので火災現場に水を運ぶと。そこまでされていたんですね。
今回は無理にしても、自分の地域で起こった場合、水はどうやって確保しよう、どうやって運ぼうと、そういうところまで思いをいたしていただければ、非常にいい訓練になるのだろうなと思います。

 ●まちの絆が命を守る、だから行政も・・・
足: 僕もそう思いますね。
一つ皆さんに是非感じて欲しいのは、今回のタイトルではないですが、これまで行政は災害の対応と言うと、例えば消防がやるというイメージがどうしてもあったんですね。
そうではなくて、こうした災害の取組みをなぜやるのかというと、災害の備えももちろんですが、人とのつながりでまちは助かっていきますから、最大の備えはまちのみんなが仲良くすることなんです。
絹: これ、皆さん、よく聞いておいてくださいよ。
今のは「ひょっとしたら試験に出ます」どころの騒ぎやないです(笑)。
足: ということは、まちのみんなが仲良くなる、つまり楽しい社会生活ができるということが、防災の観点だとしたら、行政のなかでは消防や防災の部署だけではなく、みんながやって当たり前やと思うんです。
だから色んな局とか部署があるけれども、そこも防災のことを、専門にやらなくてもいいから、ちょっとだけ取り入れて、普段の行いの中に防災を取り入れてもらったらということです。
これは京都は何をやっても注目されるという宿命を持っているから、京都でこれをやったら、大きな意味を持ちますよね。
「なんだ、災害が起こらなくてよかった」ではなくて、起こらなくても、「楽しくなってよかったな」と言えるようにしたいなと思っています。
ちょっと大きな事を言いましたけれども。
絹: ありがとうございます。

 ●戦う防災―地域をまもるのはまちの人
太: そしてもう一つ。地域で災害が起こると、みんな避難所に逃げていこうとか、そういうことを発想されると思いますが、私がそこであえて言うのは、「逃げない、戦え!」と。
“戦う防災”というのを言っているんです。
地域でどこに誰が生き埋めになっているとか、火災が起こった時に、初期消火をするとか、そういうことは地域の人間にしかできないわけです。
ところが避難所に逃げて行っては、地域でそれをする人がいなくなるんです。
避難所に行かなければいけない人はいいんですが、元気な人まで避難所に行くことはなくて、救助をしたり、けが人の手当てをしたり、火事が起きれば、初期消火でなんとか抑え込むという、災害と戦うという気持ちを、市民一人ひとりが持てば、被害が少しでも小さくできるのではないかと思うんです。

 ●帰宅困難者から地域支援者に変身!
足: 先ほどの帰宅困難者にしても、家にすぐに帰らなくても、家の無事さえ確認できれば、その地域に留まれば比較的若い人が多いので、火を消したり、人を助ける力になるはずです。
太: そうです。
足: 帰宅困難者から地域支援者に変身できますね。
絹: 第一撃は、怪我しない、死なない。
第二撃以降は、帰宅困難者から仮面ライダーよろしく変身だと。
帰宅困難者から地域支援者に変身できると。そこで戦ってと。
足: だから誰でも地域支援者になれるんだと。
必ずすることがあるので、そのためにまずは
「死なない、怪我しない」
太: 先ほども言ったように、けが人16万人、救急車40台だから4,000人に1人。
でもその4,000人に1人のなかで、軽症の人もいるわけですから、それを無事だった人が手当てをする。
それによって本当の重傷者に救急車を譲る、自分たちでできることは自分たちでする、そういうふうにすることがやはり市民として必要なことだと思いますし、そのためのノウハウを日ごろから持っておくということも大切なことだと思います。
絹: “防災寺子屋 京都”代表の太田興さん、そして中京区役所の地域力推進室の地域防災担当の足立係長、あつく語っていただきました。
本当にありがとうございます。
皆さん、是非このお二人の語られたことを、胸にとどめておいていただきたいと思います。

さて、告知としてわれ等が京都市景観・まちづくりセンター、愛称まちセンから短めにお願いします。

■まちセンから告知です
辻: 防災とは全く関係のないイベントになるんですが、9月19日に『未来に繋ごう京町家・京町家まちづくりファンド8年間の記録』と題して、特別講演会と報告会をおこないます。
特別講演会には吉田孝次郎さんが・・・、あの京町家再生の先駆者の方です。
是非、皆さんの参加をお待ちしております。よろしくお願いします。
絹: 皆さん、いかがでしたでしょうか。
「災害は我が事。まずは死なない、怪我しない」そして「帰宅困難者から地域支援者へ変身しよう」というお話でした。
本業の傍ら、こうやって日本防災士会の設立準備会だとか、防災寺子屋だとか、色んなことをトライしておられる太田さん、本当にご苦労様です。
そろそろ終わりです。

この番組は、心を建てる公成建設の協力と、我らが京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りしました。
ありがとうございました。
一同: ありがとうございました。
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