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放送日 平成25年2月17日(mp3形式音声ファイルはこちら→) 
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 放送内容は、著作権の保護を受けますので、個人でお聞きになる以外のご利用は出来ません。

タイトル: すごいんです、西竹の里タウンハウス~住み継がれる美しい町~
概要: 1982年に入居がはじまって以来30年をむかえた西竹の里タウンハウス。住民の皆さんが協力して自主管理に取組み、心地のよい住環境と美しいまちなみを維持されています。
洛西ニュータウン創生推進委員会住まいと景観チームの岩倉様と西竹の里タウンハウス自治会会長の齋藤様をお招きし、これまでの西竹の里タウンハウスでの活動をお話ししていただきました。
出演者: 岩:岩倉 紘一氏 洛西ニュータウン創生推進委員会住まいと景観チーム
齋:齋藤 信男氏 西竹の里タウンハウス自治会会長
和:和田野 美久仁氏 京都市景観・まちづくりセンター
大:大久保 悠子氏 京都市景観・まちづくりセンター
古:古川 裕之 ちょびっと推進室インターン(龍谷大学2回生)
絹:絹川 雅則 (公成建設株式会社)
   放送内容については、無断使用を禁止させていただきます。この件についてのご連絡はこちらまで。
絹: “まちづくり”チョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
************************************************************************
絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線をご紹介しております。
いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日のゲスト、メインゲストがお二方、そしてわれらが“まちセン”京都市・景観まちづくりセンターからお二方、およびしております。それではメインゲストのご紹介をまちセンの和田野みくにさんにお願いします。
和: はい、西竹の里タウンハウスの自治会長をされています齋藤さんと、今は修繕委員会の委員をされている岩倉さんです。
齋藤さんも過去から修繕委員会をやっていらっしゃって、お二人ともすごく熱い思いで、西竹の里タウンハウスを盛り上げていこうとされているお二人です。
絹: はい、ありがとうございます。そしてわれらが“まちセン”京都市景観まちづくりセンターのお二人は、私から軽くご紹介させていただきます。
西竹の里タウンハウス、あるいは洛西ニュータウン、地元に静かに深く入っていらっしゃる“まちセン”担当者の和田野美久仁さんです。
和: よろしくお願いします。
絹: そしてもうお一方、2月24日のシンポジウム担当ということで、大久保悠子さん。
大: よろしくお願いします。
絹: そして飛び入りですが、わがチョビット推進室のインターン、古川くんです。
古: 龍谷大学の古川裕之です。よろしくお願いします。

第1章 西竹の里タウンハウスは、こんなところです
 ●洛西ニュータウンの南の端、いわば現代風の長屋です
絹: さあ、始めさせていただきます。岩倉紘一さん、そして齋藤信男さん、よろしくお願いします。
本日のタイトルですが、「すごいんです、西竹の里タウンハウス~住み継がれる美しい町~」と題してお送りいたします。
さて、どんなお話が聞けますか、楽しみにお聞きください。
じゃあ、第一章ということで。西竹の里タウンハウス、「ようよう知ってるわ」という方もおられますし、「ちょっと土地勘ないな」と思っておられる方もおられるかもしれません。
さあ、西竹の里タウンハウス。どんな所にあってという概要を、どなたからお話しいただきましょうか。
和: では、私が簡単に。
補足は住んでおられるお二人にお願いしたいと思います。
絹: では、和田野さん、お願いします。
和: 洛西ニュータウンは、皆さん結構ご存じかと思うんですが、京都の西京区にあります結構大きなニュータウンです。
タウンハウスはその一番南の端っこのほうにありまして、連棟形式の現代風な長屋と見ていただいたらいいかと思います。
絹: いいですね。「タウンハウスは現代的な長屋や」と。
2×4でしたね。木造で、たとえば二戸一、二つのおうちが背中合わせて一棟。
五戸一、五つのおうちがトントントントントンと並んでいて一棟になっている。
そういうのをタウンハウスと言うわけです。
建築系の学生だとわかりやすいんですが、古川くん、タウンハウスって知ってた?
古: いや、初めて聞きました。
絹: という方もおられるでしょう。
でも、西竹の里タウンハウスは連棟式のタウンハウスですということですね。
和: コモンスペースがすごく充実していて、それはつくられた方が、皆さんのコミュニティを充実できるようにということで、考えてつくられているようなところです。
絹: さて、洛西ニュータウンの南東の端の方に位置する・・・。
それでいいですか?
和: どちらかというと、西のほうです。
絹: ごめんなさい。大蛇ヶ池公園に隣接すると。
それではこの西竹の里タウンハウスがすごさについて教えていただけますか。
そもそも成り立ちからすごいということを、以前に教えていただきましたが。

 ●35年前、歩くまち、緑のまちを意識して計画されました
岩: そうですね。
洛西ニュータウンの特徴を、まず齋藤さんからお話しいただけたらと思いますが。
齋: 洛西ニュータウンは、京都市で初めてのニュータウンとして開発したところです。
その基本的な設計は、西山夘三先生で、そのあと上田篤先生が、特に京都市のこのニュータウンをつくるにあたってのガイドライン(※注)と言いますか、白書をつくって、それを京都市が受けて、それに基づいて洛西ニュータウンがつくられたわけです。
その中の一つのタウンハウスで、最後の8期目でできた住宅です。
そのすごさの中で、つくった時にすでに自転車道と歩行者の道が設計されたということがあります。
今、京都市で一生懸命「歩くまち」と言っていますが、すでに当時つくられていたということと、ある場所によっては緑道でもって繋いでいく。
学校とか、買い物、集会所などが緑道で繋がっているというのも、素晴らしいところだなと思っています。
絹: 西山夘三先生がその辺の概要設計と言いますか、コンセプトを固められたのが、すでに35年前。
京都大学の西山夘三先生、そしてその跡を継がれる上田篤先生、工学だとか建築系の学生だと、このあたりはよく勉強している人も多いですし、著書を、あるいは作品を、勉強している人も多いんですが、35年前にすでに、洛西ニュータウンの中では、そういう基本計画ががっちり、生みの親の先進的な計画がちりばめられている。ここがすごいよと。
その生みの親のすごさのエピソードを、もう少し教えていただけませんか。
岩: そうですね。
今のお話のなかで、ニュータウン全体で、あと一つ特徴的なのが、緑がいっぱいのまちということです。
非常にたくさんの街路樹とか、緑道にもかなりたくさんの植物が配されていますので、一言で言えば「洛西ニュータウンは、緑の中のまち」と言えるのではないかと感じております。
絹: そうですね。
先ほど教えていただきましたけれども、西京区は京都市全域の中でも、区としては緑の割合が結構多いんだよという話でしたけど、そうですか。
岩: そうです。西京区が一番街路樹なんかは多いんです。
その西京区の中でも、洛西ニュータウンがまたさらに密度が濃いと。
だからそれこそ街全体がかなり緑で覆われているという特徴が、一つあると思います。
(※注)
京都市洛西新住宅市街地開発事業地における景観構成に関する調査研究報告書(京都市が日本都市計画学会へ研究委託した最終レポート)のことです。

 ●まちの中のコモンスペースの意味
絹: 手元にいただいております西竹の里タウンハウスのパンフレットを、ちょっと短く紹介させていただきます。
「西竹の里タウンハウスは、京都市の洛西ニュータウンに位置する全住戸113戸からなる接地型低層集合住宅です」
と。ちょっと難しい言葉ですけど、御歳31年目ですか。
「西竹の里タウンハウスは建築協定区域となっており、まちなみ景観が維持されています。管理組合、中長期修繕委員会、住民の皆様の協力による自主管理を続けてきたことが評価され、2008年“第4回住まいのまちなみコンクール”にて国土交通大臣賞を受賞するに至りました」
というパンフレットなんですが、これが先ほど教えていただいた、生みの親がすごいということと、育ての親がすごいという、二つのキーワードですね。
さあ、おいおいこのすごさを語っていただきたいんですが、緑が多い、ここに300番台のコモンスペース、200番台のコモンスペース、100番台のコモンスペースと、いっぱいコモンスペースの緑の紹介が書いてありますけれども、このコモンスペース、どんなところですか?
なにかこう、ベンチがあって、東屋があって、みんなが寄って、井戸端会議みたいなのができる空間なんですか?
岩: そうですね。
コモンスペースに向かって、それぞれのお家から玄関が配置されていまして、朝の挨拶もコモンスペースに向かってという感じで、そうした玄関の配置も大きな特徴ですし、コモンスペースで皆さんが語る場もありますし、子どもさんが遊ぶ場でもありますし、あるいは色々なパーティーをやったりとか、みんなが集う場になっています。
絹: コモンスペースで、パーティーまでやっておられるのですか。
岩: 昔はそういうこともやっておりました。
齋: こどもが少なくなったものですから。
入居した当時は、みんな30代40代で入ってきていますから、小学生が本当にたくさんいて、子どもを通して一緒にコモンスペースで、焼き肉パーティーをやったりということができたわけです。
もともとそのコモンスペースをつくったというのも、まちをつくるときの構成の一つなんです。
そういうものでまちをつくられた、そのなかのタウンハウスですから、向かい合わせの家の真ん中にコモンスペースがある。
ですから出てきたらおのずと顔を合わせて「おはようさん」と挨拶ができるような構成になっているわけです。

第2章 建物の老いに挑戦する
 ●壁や屋根の塗り替えによる町並のちぐはぐ感をどうするか
絹: そういう仕掛けと言いますか、コミュニティが元気に続く仕掛けを持ったところに、若い時に越してこられた。
さて、素晴らしいことばかりは続きません。
中長期修繕に関して、何やらきな臭い空気が漂ってきた時期があると、先ほどおっしゃいました。
困りごとが発生し始めたのは、2001年前後、中長期修繕委員会の生みの親と言いますか、実際に立ち上げられたお二人が、今日ゲストに来ておられます。
その辺のどういう危機を乗り越えてこられたのかについて、お話をいただけますでしょうか。
岩: 最初から参加していたわけではなく、その時に非常に努力されましたのが齋藤さんでございますので、齋藤さんの方から、きっかけ等をお話していただけたらと思います。
齋: 住宅がつくられて、入居して、10年が経過してくるなかで、それぞれの棟ごとに屋根の塗り替えや壁の塗り替えをやっていたわけです。
言わば棟単位なんですけど。
絹: 先ほど教えていただきました、タウンハウスだから二戸一だったり五戸一だったりですから、その5戸をいっぺんに塗り替えるということをやっておられたわけですね。バラバラに?
齋: そうです。バラバラですね。
そうするとその5戸の中でも、1軒だけが壁の塗り替えや屋根の修繕を「うちはもうしないわ」というところが出てきてみたり・・・。
絹: お金がかかりますもんね。

 ●中長期修繕委員会の立ち上げ
齋: そうなんです。
それともう一つは、その2戸とか4戸の連棟が36棟あるんですけど、その棟によって業者も違うし、やはりコストの問題で、安いところを選んでやってしまったところは、色が違うといった問題が出てきたわけです。
そうなると当初つくられたのよりバラバラになって、このまま放っておいたら、やらないところはやらないので、だんだん朽ちていくわけです。
そこで総会の中で、住民の人から「一斉にやったらどうか」という意見が出ました。
また当初は管理費だけ積立てましたけど、初めの10年はあまり修繕がなかったですから、その分お金が貯まってきたんですよ。
貯まっていて管理組合としてお金は持っていたんですが、「それを使って一斉にやったらどうか」という提案がされたわけです。
管理組合の理事会は、その提案を受けて、中長期修繕委員会をつくろうということになりました。
一斉にやるために、今後を考えた時に、30年くらいの修繕の計画をつくろうということで、つくられたのが中長期修繕計画なんです。
絹: 普通の共同住宅と言いますか、マンションだったら、たとえば100戸のマンションなら、管理組合の総会があって、一つの建物に上も下も一緒に住んでいますから、長期修繕計画などをやるのは、まあ常識かもしれません。
でもこのタウンハウスの場合は、36棟113戸、一応独立性のある長屋の集団です。
だからみんなでこうやって「やろうや」というのに、「なんでせなあかんのや」という声もあったかもしれませんね。
でもそれを、「このままいったらバラバラになる」という危機感をお二方はお感じになっていた?
岩: 私よりはむしろ齋藤さんとか、他の修繕委員会のメンバーですね。
やはりちぐはぐ感、統一性の説明が必要だろうということで、そういう提案をしていただいたわけです。
絹: それで今の姿をプリントアウトしてカラーのものを見せていただきますと、何か屋根のトーンと言いますか、きれいにそろっておりますし、壁も白い壁とブラウンの屋根といい感じで統一されて、全体がなんか一つの色調が感じられて、いいですねえ。
でもそこへ行くには、2ステップか3ステップか、ちょっとご苦労があった?

 ●丁寧に何度も説明し、意見を聞きながら・・・
岩: そうですね。
齋藤さんからご説明いただきますけど、一応そういう形で一斉に修繕を行うという提案をさせていただきました。
絹: はじめは総会で「反対や」って、出てきたんですか。
岩: そうですね。
一つはね、当初は貯まっていたお金でやるんですけど、今後の計画については、修繕積立金というのを、積み立てていかねばならないという形で、そうするとその金額が一月に1万くらい増加になるという話になります。
そうすると今まで3000円と少し払っていたのが、一万円も上積みになると大変だという形で反対があった。
また自分の家は自分でやるんだという人も、もちろんおりましたし。
修繕積立金が高くつくということに対して、また委員会で持ち帰り、検討し、今度は総会ではなくて、私たちは番台地といって6つのブロックに分かれているんですが、番台単位の人で集まって、丁寧に説明して、最終的には1万円の値上げのところを8,000円まで下げたと。
それは範囲を狭めたんです。屋根と壁だけに限定しようと。
絹: それが知恵ですね。
齋: それで否決されたのを、2回目再挑戦をしました。
一つは住民にきちんとていねいに説明会を何回も分けてやったなかで、意見を聞き、修繕の範囲を狭めて、屋根と壁に限定して、積立金を下げたんです。
絹: いやあ、粘り強いですね。
齋: 本当に番台の人を集めて、いろんな人と積極的に話をしました。いろんな意見をね。

 ●粘り強さの原動力
絹: さて、和田野美久仁さんは、まちづくりセンターの立場で、この姿をご覧になっていたわけですね。
和: 10年くらい前のお話なので、リアルタイムではないですけれども、そのあと、当時の話をヒアリングなどをしながら冊子にまとめていた時期に関わらせていただいたので、その時のお話は色々とお伺いしました。
絹: 冊子をまとめるにあたって、和田野さんが聞きとられた多くのエピソードがあると思いますけれども、そのエピソードの中で和田野さんが「すごいなあ、この人たちやるなあ」「このタウンハウス素敵」と思ったのは、どんなことですか。
和: 最初は否決されたわけで、先ほど絹川さんがおっしゃった「粘り強い」というのが、どこからそういう原動力が来るのだろうって思いました。
絹: それ!それ聞きたい!
和田野さんが見られるところ、このお二方とお付き合いされて、秘密はどこにあったのでしょうね。
和: そうですね。
何回かお聞きしたことはあるんですけど、なんかやっぱり「タウンハウスが好き!」っていうのが一番あるんじゃないのかなあと思うんですけど。
絹: イエス!もうお二方のお声を聞いて、説明を聞いてわかると思うんですけど、西竹の里のこのまち、というかタウンハウスのことを「好きでしゃあない」と言うか、誇りに思ったはる。
「なんとかすんねん」というパワーがものすごく感じられますよね。その辺ですかね。
和: わたしが見ているところでは、そこなのかな。
もしかしたらもっと違う何かがあるのかもしれないんですけど。

 ●住み継ぐ、住み続けるということ
絹: それで国交省の大臣に表彰された例の“住まいまちなみコンクール”の時も、「育ての親の努力がすごい」という評価項目があったということです。
住人さんたちが、なんかものごく頑張ったはるというのが、あるんですよね。
和: そうですね。
こういうふうに計画をちゃんとされているところっていうのは、他のまちでもたくさんあるんですけど、それがちゃんと継続されていて今もきれいであるところと、そうではなくなってしまったところって、あると思うんですけど、ここは最初の計画を「住み継ぐ」という、活かしていっているというところが、一番すごいなと思います。
絹: 住み継ぐ、住み続ける、当初の姿をキープしている秘密を、和田野流に読み解くとどこにあると思われますか。
和: ええ、難しいですね。
絹: そこまでまだ分析はできてない?
和: そうですね。
ただ、もともとあそこの敷地全体を区分所有といって、共有されているんですね。
それは一つあるのかなと思います。
マンションも敷地全体を共有するという制度になっていると思うんですけど、ここはちょっと戸建っぽい感じになっていますが、でも全体はみんなのものという区分所有という形式を採られているので、それも一因かなと思ったりもするんですけど。

第3章 住人の老いに挑戦する
 ●希薄になってきたコミュニケーション
絹: そうですね。
お話を伺っていますと、このエリアが好きで、自分たちのもので、さらに住み継ぎたい、住み続けたいと思っておられる。
「入居した当時、1982年当時はみんな子ども連れで若かったけれども、30数年経ってきた。
今度は二つの老いに対して挑戦していくんだ」と先ほどおっしゃっていました。
この二つの老いというのは何ですか。
齋: 一つは建物ですね。
建物の年数が経ってきたということで、私たちは屋根の修繕と壁の修繕をやりましたけれども、それと同時に住んでいる人たちが高齢になってきたということです。
高齢化するに従って、子どもたちも全部出て行って、その中でのコミュニケーションが非常に取りにくくなったという面があります。
本当は子どもを通してコミュニケーションが成り立っていたわけですが、それが成り立たなくなってきた。
絹: お子さんたちが外へ出て行っちゃったと。
齋: そうなんですよ。
そうなると今後、管理組合、中長期修繕委員会を続けていくにしても、今後のあり方はどうするのかという話で、二つの老いのうちの一つは「人の老い」ということで、これを克服することを、やっぱりやらないといけないということが、非常に大切になってきたということです。
絹: 建物の老いと住人の老い、その二つの高齢化にいかに挑戦するかというのが、このタウンハウスの皆さんの中長期修繕委員会の次なる課題ということですね。
なにか、二つ目の老いに対して「どうしていこうかな」という腹案はお考えになっていますか。
齋: 一つは昨年度に、今後の管理組合のあり方を検討しようという形で、検討委員会をもって一年間検討したんですけど、なかなかうまくいかないところがあるんです。
で、その時に、たまたまその自治会の人にお願いして、タウンハウスのコーヒータイムをやろうという形で、月に一回なんですけれども、平日の木曜日なんですよ。
絹: いいですねえ。コミュニティカフェだ。
齋: そうなんです。それをやり始めたんです。
それでね、やっぱりリタイヤした人がたくさんおりますから、日頃は全然人影が見えないのに、コーヒータイムになると10人くらい人が集まってくるということが、出てきたんです。
絹: ほう、いいですねえ。
齋: で、そこから、一回おでんパーティーをやらないかということで、おでんパーティーをやったら16人くらい集まってきたとかね。
で、ハイキングに行こうと、秋にはハイキングに行ったり。
あんまり規則も何にもない集まりなんです。
ただ、コーヒーを飲みに来る。100円払っていくというそれだけなんですけどね。
そういう集まりから、もう一回繋がりをつくっていきたいなという願いでやっているんです。
絹: そして例えばそういうところに、今日インターンで飛び入りの古川くんみたいな学生が、コミュニティカフェになんでか知らんけど、コーヒーを飲みに来て話しているみたいな話が出てくると、素敵かもしれませんね。
齋: 素晴らしいですね。
ぜひ来てほしいと思いますよ。
絹: 結構、龍谷大学のあるチームは、そういう地域の居場所みたいなところに興味を持って、研究しようとしています。
古: はい。
絹: さて、そろそろまとめの時間になりました。
今日のタイトルは「すごいんです、西竹の里タウンハウス~住み継がれる美しい町~」。
すごさのいくばくかは、リスナーの皆さんに伝わりましたでしょうか。
私はこの二つの老いに挑戦されている中長期修繕委員会のすごさは、「屋根と壁という建物の修繕をするだけではなくて、コミュニティの人と人との繋がりも、今後修繕していくんや」ということに、既にお気づきになっているところにあると承りました。
「木曜日に会費100円でコーヒー飲もうや」と、そこから普段あんまり顔を見なかった人が集まり出したと。これはすごいインパクトのある現象だと思います。
そこへひょっとしたら、タウンハウス外の人も「なんかオモロイことやったはるらしいで」とやってきはる。あるいは京大や龍大といった色んな大学の学生が「コミュニティ調査に寄せていただけませんか」と言って来るといったことも、今後出てくるかもしれません。
また我らがまちづくりセンターもそういうところに注目をしているとしたら、「まちセンもなかなかやるやんけ」というところだと思います。
ということで、最後はまちセンからの告知タイムでございます。

 ●まちセンからの告知です
大: はい。2月24日にシンポジウムを行います。
今日、どの地域でも高齢化ですとか、新住民の流入ですとか、また住んでおられる方のライフスタイルが少しバラバラになって、多様化しているというところから、コミュニティそのものの弱体化といった課題を抱えられていると思います。
こうしたなか、どのようにすれば良好な景観を地域が維持して、創造していけるかということを、参加した方が皆さんで考えていこうということを目的としております。
シンポジウムは二部構成で、第一部が基調講演「コミュニティを育む景観まちづくりのすすめ」ということで、京都大学大学院門内先生にお話しいただきます。
分科会も三つに分かれて、今日の西竹の里タウンハウスからも来ていただきますので、皆さんの参加をお待ちしております。
絹: はい、皆さんありがとうございました。
この番組は、心を建てる公成建設の協力と、京都府地域力再生プロジェクト、そして京都市・景観まちづくりセンターの応援でお送りしました。
齋藤さん、岩倉さん、どうもありがとうございました。
両名: こちらこそありがとうございました。
絹: では、これにて失礼いたします。
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