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放送日 平成24年 3月10日(mp3形式音声ファイルはこちら→) 
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 放送内容は、著作権の保護を受けますので、個人でお聞きになる以外のご利用は出来ません。
ちょびっと
タイトル: 長屋暮らしとしてのマンション暮らし~オーバーシックスティズ合コン~
概要: 勝見九重氏が住んでおられるマンション生活を通して、マンション内だけではなく地元とのつながり=「長屋暮らし」をお話しいただきました。
出演者:
勝:勝見 九重 (カツミ コノミ)氏   スリー・バイ・スリー代表、
特定社会保険労務士、
産業カウンセラー
絹:絹川 雅則   (公成建設株式会社)
ちょびっと
 
 
   放送内容については、無断使用を禁止させていただきます。この件についてのご連絡はこちらまで。
 絹:  “まちづくり”チョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
  ************************************************************************
絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線をご紹介しております。
いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。

●本日のゲストは、九重親方?です
絹: そして本日のゲストです。
勝見九重親方(笑)。
九重という字がお相撲の九重親方の字と同じなので、九重親方と呼ばれるんですか?
勝: はい、そうですね。
ある一定の年齢の人しかわからないっていう(笑)。
「なに、それ」、みたいなね。
絹: この間、メールをいただいたら、「勝見親方です」って、書いてあって、ぎょっとしたんですけど(笑)。
勝: はい、親方です(笑)。
絹: 勝見さんは『スリー・バイ・スリー』という事務所の代表、社会保険労務士事務所も開いておられます。
そのかたわら、メンタルヘルス等の、あるいはコーチング等の講演や研修を手掛けておられます。
私の会社の『安全大会』の講師としても、一度来て頂きました。
勝: はい、お世話になりました。
ただ、色んな所でお会いしますね。
絹: そうなんです。
時々お会いするというか、よくお会いするというか。
勝: 結婚式で会うて、仕事先で会うて、100人委員会で会うて、あとどこで会いましたかね。
絹: 『フューチャーサーチ』というワークショップでお会いしたという、古いこともあります。
勝: 縁がありますよね。
絹: という本日のゲストは、勝見九重さんをお迎えしてお送りいたします。
勝: はい、ありがとうございます。
よろしくお願いします。
絹: はい、そして本日の番組のタイトルですが、「長屋暮らしとしてのマンション暮らし」&(さっきの打ち合わせにないですけど)「オーバーシックスティーズ合コン」。
勝: あ、やっぱり入れるんや(笑)。
絹: が入るかなあ・・・(笑)。
勝: ご紹介いただいたところから、「なんで長屋としてのマンションやねん」みたいなところに話の展開が全然、こう、繋がりがね・・・。
絹: まず、エピソードとして、何回か勝見さんの住んではるマンションの事を教えて頂いて、「わお、おもろ!」と、思ったことがあったんですよね。
勝見さんは『藤和宝ヶ池ホームズ』という、60数世帯のなかでも、すごいアットホームというか、面白い所に住んではるという話を、教えてもらいました。
まずはその勝見さんの日常話から入っていただきましょか。

●うちのマンションの日常
勝: うちのマンションって、挨拶とかそんなのは当たり前なんですけど、結構色んな人と話ができるというか・・・。
餅つきをやったり、委員会と言うか、管理組合みたいなところの忘年会やら新年会やらがあるんです。
そういうことのそもそものきっかけになったのが、地蔵盆もあるんですが、私のところが1人娘ですので、なんとか地元の人たちに顔を覚えてもらいたいと思ったわけです。
なので、いわゆる体振(体育振興会)の役員になったことで、マンション以外の人と知り合ったり、話をする上で、顔が広くなったというか・・・。
絹: マンションって、ステレオタイプの感じ方ですけど、「ご近所づきあいがじゃまくさいからマンション入りました」みたいな、僕は思い込みがあるんですね。
それが餅つきしたり、さっきちょっと話をしてましたら、携帯電話が鳴って、「あんたとこの上、燃えてるで!」
勝: そうそう。「ええ!すぐ戻るわ!」みたいな。
それを言えばエピソードは山のようにあります。
そもそもマンションに入った時に、すごく仲の良い知り合いがそこに何組か入っていました。
川のたもとのマンションで、宝ヶ池公園の近所なので、宝が家のあの辺を歩きたいとか走りたいとかいうような人がいるんですよ。
だから私、時々歩いていたりすると、マンションの人ともすれ違いますし、犬の散歩のマンションの人やら、近所の人やら、名前も住所も知らんけど、とにかくこの時間に走っていたら挨拶するというおじさんとかがいて、「なんでここはすごいんやろな」と思いながら。
絹: ご近所づきあいとか、声の掛け合いとか、御挨拶だとかいうのが、当たり前に成立している土地柄というか、マンション柄というか・・・。
勝: そうですね。

●長屋のように暮らす
絹: 「長屋暮らしなんや」と、おっしゃいましたね。
勝: そうそう、それはね、私の隣の人(今はもう出ちゃったんですけど)が、たまたま私の夫の知り合いの人で、引越の挨拶の時に「はあ!」と。
絹: それ、偶然なんですか。
勝: ほんとに偶然なんです。
それで挨拶の時に、「いやあ、もう長屋暮らしみたいな感じでいきましょうね」と言ったことを、すごく覚えています。
それからうちは二階なんですけど、前に住んでいた賃貸のマンションで、隣りの隣りだった人が、今度のマンションの一階にいたとかで、「なに?」みたいな・・・。
で、京都って、知り合いの知り合いは知り合いだったりするじゃないですか。
絹: そうですね。
知らん人でも、2クッションくらいしたら必ず出会えるという感じですね。
勝: そうなんですよ。
そもそも絹川さんも何か知らんけど、知り合いやったみたいなところがあるので。
非常に面白いというか、ねえ。
絹: そういう偶然に導かれるようにしてお入りになったマンションというだけじゃなくて、そのマンションは『ゑり善』さんのKさんがつくられたところで、オーナーさんと言いますか、地主さんが一階にちゃんといはって・・・。
勝: そうなんです。
ただ別に管理しているというわけじゃなくて。
絹: 大家さんというわけではない。
勝: 大家さんというわけではないんだけど、大家さんと仲良しの人たちは何カ月に一回ご飯に行っているとかね。
「勝見さんも今度呼ぶわ」みたいな感じで、「やあ、行く、行く!」というふうな・・・。
なんかほんとに面白いですよね。
絹: なんか孤立したり引きこもったりとか、そういうのと一種対極やなと聞いていたことがあるんですよ。
重たくなっちゃうかもしれないけど、この頃、報道で耳とか目に残っているのは、東京の方で、親子さんですかね、お年寄りと40代か50代かの方が餓死をされたりとか、発見が遅れたりとかで、いわゆる孤独死、それもお一人だけではなくて、お二人亡くなったというようなことが、記憶に残りますけど、勝見さんのいはるとこって、それの対極かなって、今聞いてたんです。
勝: ただね、一人で寝てて死んでたら、ようわからへんなみたいなとこは、誰でもあるかなと思いつつ、逆にマンションって、閉まってしまうと匂いもしないし、そんなに音も響かないしということもあったりするのでね。

●何かあれば、すぐに連絡が来ます!
絹: そうではあるんだけど、なぜかマンションの知り合い同士で携帯の番号を交換し合っていて、「あんたとこの上がちょっとくすぶってるで」とか、そういう知らせが入ってくる(笑)。
勝: そういう緊急のお知らせって、決してマンションの管理会社から来たのではなく、全て友達とかですね。
二回目の時は、カナートに行っている時で、「またあんたのとこ燃えてるで」とか、言われて(笑)。
「それ、笑い話ちゃうやん」みたいな。
絹: それって、料理していて・・・。
勝: そうそう、火を点けて、そのまま忘れてて、ただ夏で網戸を開けていて、そこから消防士さんが入らはって、そんなに大層じゃなかったんですけど。
絹: それは勝見さん宅ですか?
勝: の、隣です。
ですからうちの上と隣りっていうふうで、「なんか呪われてるんとちゃうか」とか、言われながら(笑)。
絹: 笑いごとにしてはいけないんですけど、これって実は大切なことで、お住まいになっているご近所さん同士が「やばい」と思った時に、顔の見える関係で知らせ合っている。
「はよ、帰りや」「なんかおかしいで」って、言える関係を、勝見さんたちは築いておられる。
まあ、60数世帯が全員そうというわけではないんでしょうが、お話を聞いていると、かなりの割合でそうだと。
勝: はい。もともとそういう所に入ってきはる人も、話に入るじゃないですか、廊下で、わあわあ言うてたら。
だからそういうのが自然とできるんですかねえ。

●お地蔵さんとおばあちゃん
絹: まず最初のエピソードとして、勝見さんがお入りになっている面白いマンション暮らしのエピソードをご紹介いただきましたが、お地蔵さんを守っていたおばあちゃんの話も、そのマンションのことですね。
勝: はい。
もともとずっと住んではって、そのおばあちゃん、今月実は亡くならはったんですけど、本当に子どもの顔を見たら、「こっちおいで、こっちおいで」と、お菓子を必ずくれはるんですね。
そうすると、何回かもらうと、親としてはお礼を言わないわけにはいかないので、何か持って行きますよね。
そうすると「いやあ、おおきに」みたいな話で、結局挨拶するし、お地蔵さんを毎日すごくきれいにしているんですよ。
で、「誰がやっているのかな」と思ったら、ずっとそのおばあさんがお守りをしていて、結局亡くならはったら、今度は自主的に町内の次のおばあちゃんじゃないですけど、「私が継ぐねん」という人が出てきたりとかね。
絹: お地蔵おばあちゃんの二代目があらわれはった。
勝: そうそう、そうすると親もそうやし、その方はたまたま犬の散歩をしてはるんで、知らん間にうちの娘が犬をかわいがるとかなんかで、「やあ、こないだ見たわよ」みたいなところもあるし・・・。
あと、すごいのは、うちのマンションはハロウィンをやるんです。

●ハロウィンもやるんです
絹: 西洋の習慣のハロウィンですか。
勝: はい、あれをね、最初そのKさんがやらはったんです。
ちっちゃく「何時から何時まで、お子たちはお菓子を取りにおいで」とかいうのを、何年か前からやってくれはって・・・。
絹: Kさんていうのは、『ゑり善』さん?
勝: そうそう、『ゑり善』さん。
そしたらみんな行くじゃないですか。
そしたら本当にお菓子をくれるだけなんですけど、やっぱりそうやってしてたら、こっちも返してくるし、そしたら今度は五階にいはる方がやらはるようになったんです。
その方はすごく絵手紙が上手で、いつもかぼちゃの絵と「今年も元気にね」というのを、何年か続けてやっていて、それでずっとやっていると、何も言わないわけにはいかんので、「いつも楽しみにしています。おおきに」とお土産を持って行ったりすると、「ああ、こないだの」というふうになったりするわけです。
こんなふうに、子どもを介してというのもありますけど、親同士で、私がキャリアの仕事をしていたりすると、「うちの娘が実は就職して、ちょっと迷っていて話を聞いてくれはる?」みたいな感じで、本を貸してあげたりとか、そんなん面白いですよね。

●集まって住むということ
絹: リスナーの皆さん、今、勝見さんのお話をお聞きになってどう思われたでしょうか。
私は「おお」という感じがして、当たり前みたいに言うてはりますけど、これはマンション暮らしとしては、ある種、非常に成熟した領域に入ってられて、一緒に集まって住む、近くで住むという、ある種達人が何人か集まってはるんとちゃうかぐらいに思ってしまいました。
勝: それと、仲のいいところはそれぞれ皆さんの家族構成がわかっているので、帰りの叡電で一緒になっても、奥さん、旦那さんともみんな仲良しということになるんですね。
お母さん同士だけじゃなくて。
絹: 私は本職が建設屋なので、20年くらい前から、コーポラティブハウジングと言いますか、そうやって一緒に住むマンションだとか、そういう住まい方に興味がありました。
例えばうちの自宅のことを言いますと、13家族、40数名の人口ですけど、全部家族構成がわかっているというような所に住みたくて、あえてカタカナ語のコーポラティブというもので、「一緒に住みませんか?この指とーまれ」とやりました。
ところが結構プロセスが大変で、時間をかけてお知り合いになって、一緒に計画をして、お金を出し合ってという、そういうプロセスを3年くらいかけて通り抜けた、まあ言わば一緒に住んでいる人たちは“戦友”なわけですね。
ところが、そういう時間をかけてやらずに、普通に『ゑり善』さんが、等価交換で御自宅と言いますか、一緒に入っておられて、土地は一部まだお持ちになっているんでしょうね。
勝: おそらくそうでしょうね。
絹: そういう普通のマンション暮らしだけれども、仲の良いところは家族構成まで全部わかっていて、携帯でやりとりできる、非常事態は助けあえる。
それはそもそも勝見さんの一人娘さんを地域デビューというか、みんなに知ってもらいたかったという、そういう思いからスタートしているんですね。

●気楽に持ち寄って、一緒に食べる
勝: ただほんと、まだちっちゃい時は、「ごはん食べにおいで」とか、「一品ずつ持ち寄ってうちで食べよ」みたいなこともしてましたし・・・。
絹: それ、いいですねえ。
うちもね、あんまりベタベタになったらしんどいけど、年に一回とか二回とか、みんなでバーベキューパーティーをやったり、外で火をおこすのがじゃまくさかったら、玄関ホールというか、ロビーみたいなところで、ホットプレートを出して、お肉を焼いたり、お好み焼きやったり、餃子焼いたり、それこそ一品持ち寄りでしたら、結構豊かなメニューになりますよね、数家族集まったら。
勝: そうなんですよ。
だから新年会の餅つきとかも、蕎麦打ち名人がいたりとか、おぜんざいをたいてきたとか、ケーキ焼いてきたとかで、すごいなあと。
またそこで知り合ったりすると、挨拶とかしますし。
だから決まった人が集まるんだけど、その中からその人に誘われて、隣りの人が出てきたりというのがあるので、やっぱり知らん人よりは顔を知ってる人の方がいいじゃないですか。
絹: 「おみごと!」と言いたい。
勝: その言葉を今のマンションの管理の理事長が聞いたら、喜ばはるかもしれないですね。
絹: 僕は学者じゃないので、調査をしているわけではありませんが、京都の全てのマンションが、あるいはアパートが、勝見さんのお住まいのマンションのような次元に達しているということは、たぶんないんだろうなと思います。
勝: 珍しいかもしれないですね。

●今の関係をどう進化させるのか
絹: 数年前に市営住宅や府営住宅などの公営住宅の担当の方にインタビューしたことがありまして、やはりそういうところのコミュニティが、だんだん連携が取れなくなってきて、お年寄りになってきて、困ったはるという例を、その当時はよく聞きました。
ですからそういう思いのある人が頑張らないと・・・。
あるいはひょっとしたら頑張ってないのかもしれません。
自然に餅つきしたり、持ち寄りでご飯食べしたり、ハロウィンチックなことをやったり、お地蔵さんを守ったりといったことが成立してないところは、だんだん引きこもりがちになると言ったら変ですけど、助け合いがなくなっていくんですよね。
で、勝見さんたちのやったはることは、防災の専門家に言わせても、「わっ、素敵」とかって、言うんじゃないですかね。
僕は、自分の上下左右に、誰が住んではるのかわからないというのは、かなんと思ったので、そういうコーポラティブをやってみたわけですけど、顔の見える関係が、今はずっといいですけど、経年変化といったら変ですけど、自分らがもっと年を取って、色んな助けが要る時に、例えばちょっとボヤが出た時に、さっき「マンションって、ちょっと匂いがわからないかもしれませんよね。音も聞こえにくいし。」という話がありましたが、これをどう進化させて行ったらいいのかなというのが、今の問題意識なんですね。
勝: そうですね。だんだん変ってきていますしね。ちっちゃい子どもたちがいた時は、何十人も生協のグループができていたけれども、今はもうバラバラだし、私も働いて日中いないことが多いので、そうすると本当にいつの間にかいなくなっていた人とか、「この人誰?」という人もいるし。

●“まちの縁側”と人を繋ぐ人と
絹: そこで最近と言いますか、10年ほど前から僕が気になっている言葉が“まちの縁側”だとか“地域の居場所”という言葉なんです。
色んなバージョンがあるようですが、マンションの一室でも自分の御自宅を(まあ戸建てのおうちもそうですが)、“住み開き”という形で、さっき『ゑり善』さんの奥さんが「ハロウィンのお菓子を取りにおいで」みたいな感じで、ちょっと外へ向けて扉をすっと隙間を開けてはるようなエピソードがあったでしょ。
マンションの中でもそういうお部屋が一つあれば、なかなか集会所があるマンションって、全てがそうじゃないから・・・。
勝: あ、そうなんですか。
絹: いいなあと思って・・・。
まちの縁側というか、勝見さんみたいに、人と人を繋ぐ糊みたいな、ボンドみたいな人がいてくれはる場所、『ゑり善』さんの奥さんみたいに、地域と子どもと親を繋ぐ糊みたいな人でもあり、場でもあると。
空間的な場の持つ力という意味でいくと“縁側”という言葉になるけど、人の側面からいくと、また違う、おせっかいさんというか、さっきのお地蔵さんのお守りのおばあさんみたいな、そんなところに注目を、今僕はしています。

●人が人に寄っていく
勝: 私もやっぱり、人に人が寄っていくというか、それがあって「じゃあ、ここの場所がええんちゃう?」という感じだと思うんですね。
何か建物とか土地がありきではなくて、人がコネクターというか、コネクションと言いますか・・・。
私は本当に人と人をつなぐコーディネートみたいな仕事もしているし、人生のミッションじゃないけれども、人と人が出会って、それでキラキラしているところを見るのが、すごく好きなので、それがたまたまご近所さんであったり、仕事先であったり、自分の友達であったり、仲間であったりというふうなところがいいかなと思って。
だから私は、逆に場所を後から探す方なんですね。
「この人とこの人を結びつけたかったら、ここがいいんじゃないかな」と。
自分でも何カ月に一回、女子会みたいなのをやっているんですが、それは自分の目を通して「この人とこの人、ええんと違うかな」と、ある程度シュミレーションして、おもしろそうだなと思う人たちに声をかけて集まってもらうんです。
やっぱり人と人というのは、話してなんぼ、会ってなんぼというところなので、それで嫌だったら結びつかなければいいわけだし。
そういう人と人とを繋げる人というのは、京都のまちは色んな分野で多いような気がするんです。
絹: うん。きっとそう!
勝: それがみんなが京都を面白いと思う、一つの原因なのかなと。
絹: 僕は職業柄の意識で、建設業なのでハードからの接近で、すぐ建物だとか場所だとか空間だとかに意識が行っちゃいますけど、所詮場も必要ですけど、場を支える人があってなんぼの話ですよね。
勝: はい。
やっぱりこの人の話が面白いからとか、この人に会いたいからというので、この人と一緒に住みたいからとかいうところから、話が始まった方が、楽しく考えられますよね。
どうやったら面白いかっていうふうな。
皆さん一応寿命があるものなので、今生きていて、今会っている人というのは奇跡に近いと思うと、「これは大事にしなければ」というのがあって、それでその中で縁があって、出会えることも奇跡なのに、こうやって縁が続いて仲間になっていくというのは、「なんてすごい奇跡なんだ!」と思うと、ワクワクしません?
絹: イエッサー(笑)。
勝: そういうのが本当に京都は多いのと、まちの持っている魅力というか、すごいヒューマンサイズだと思うんですよ。
いい具合に都会で、いい具合に田舎で、いい具合に人口があってというのが、新しいものも古いものも、中途半端なものも、妖怪も住んでそうでっていうようなところが、すごーく・・・、はい。
絹: 勝見さん、すごいパワー、わあっとオーラが出て来てます。
勝: そうですか(笑)

●場の持つ力
絹: ちょっと話題は変わりますけど、“まちの縁側”という言葉、その場の持つ力。
その場の持つ力はなんだって、勝見さん流に言いかえると、お金は集まらないけど、人が集まってこられて、その場で面白い人に会えると。
そこには、ミセス・コネクター勝見みたいな人が“縁側主人”として、チンといはるとこが、うまく成功している。
僕は趣味で“まちの縁側”と呼ばれるところを歩きまわるのが好きなんですけど、そういう場所が京都にいくつもあります。
勝: うん、ありますよねえ、本当に。
絹: で、そういう場所を増やしていきたいなと、若い友達と“まちの縁側1000か所構想”とか、長野市が5000か所構想を数年前からやっていますので、真似して言っているんですが、そんなことを言っていたら、京都市さんがこの間の門川市長の選挙の公約の中に入っていたと思うんですけど、「まちの縁側を300か所整備します」みたいな話が新聞報道等で出て来ているんですね。
「あ、これ、おもろいな」と。
で、その保健福祉局の局長さんなんかが“まちの縁側”の視察を開始したりという動きがあるので、勝見さんのマンションみたいなものだって、“縁側”としての場の持つ力を建物全体で持っているじゃないですか。
勝: ねえ、そうですねえ。
絹: そういう“まちの縁側”をまずは300か所、どういう整備の仕方をされるのかわかりませんけど、場というか、ハードを整備しても実は仕方がないんですよね。

●キーワードとしての安心・安全
勝: そうですね。
本当に会いたい人や寄りたい人が自然に集まってくるような、あとは“安全・安心の場所”というのが、すごいキーワードで、特に子供とか、うちの思春期の娘なんかが、「出ていってやる!」とかって、出ていった時に、トコトコトコって、下のマンションの友達の家に行けるような所があれば、親も安心やしっていうのもあって・・・。
絹: あります!あります!
勝: そういう安全安心に逃げられる場所、そういうのをね。
絹: 僕、持ってます!
千本北大路の『ハルハウス』いうところがありましてね。
嫁に「出て行け!」と言われたら、数日やったら絶対泊めてもらえます(笑)。
勝: ああ、なるほどね。
私もそれ、ちょっとよく聞いとこ(笑)。
絹: 留学生が3人来た時に、泊れるような3部屋が三階にありますし、朝は6時から10時までは朝雑炊というか、お粥さんというか・・・。
あ、もう終わりになっちゃうぞ!これは。
勝: 予想通り、まとまらないまんま(笑)。
絹: いや、じゃあ、無理やりまとめていきますね。

今日は勝見親方に来て頂いて、面白いマンション暮らしというか、長屋暮らしとしてのマンションというご経験を語って頂きましたが、もっともっと本当はお聞きしたいエピソードがいくつかありますが、ミセス・コネクターとしての勝見さん、すごく面白いですよね。
勝: ありがとうございます。
絹: これが“まちの縁側”に繋がっていくと思っています。
すみません、今日はちょっと話しすぎました。
それじゃあ、またの機会にということで、この辺でしめてしまいますが、ありがとうございました。
勝: はい、また是非に。
絹: この番組は、心を建てる公成建設の協力と、京都府地域力再生プロジェクト、そして京都市景観まちづくりセンターの応援でお送りしました。
“まちの縁側”、面白いマンション、いきましょう。
ありがとうございました。
勝: こちらこそありがとうございました。
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