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放送日 平成16年7月25日(mp3形式音声ファイルはこちら→)
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 放送内容は、著作権の保護を受けますので、個人でお聞きになる以外のご利用は出来ません。
タイトル: センテナリオ物語(その2)
テーマ: 都心集住の新しい試み/つくば方式の説明
出演者: 松:松岡 千鶴氏(NPO法人京都コミュニティ放送 放送局次長)
絹:絹川 雅則(公成建設株式会社)
 放送内容については、無断使用を禁止させていただきます。この件についてのご連絡はこちらまで。  
絹:  公成建設まちづくり推進室!

 タイトルコールを早速間違えてしまいました。
 公成建設“チョビット”推進室というタイトルの間違いでした、すいません。
 さぁ、みなさんこんにちは。こんな調子でやっとりますが、それではこれから公成建設まちづくりチョビット推進室、第二回の放送をお送りいたします。
 私、進行をつとめさせていただきます、公成建設まちづくり推進室の絹川でございます。お相手の方は、京都三条ラジオカフェのマドンナ、松岡千鶴さんです。どうぞよろしくお願いいたします。
松:  はい。あのー、「マドンナ」って言ってくださるのは、絹川さんだけです。
 松岡千鶴です、よろしくお願いします。
絹:  この番組は、地元の建設屋の目を通して、まちづくりの最前線がどう見えるのか。
 そんな想いを、私の言葉で語ってみたい、と言うことでスタートしております。
 さて、第二回。どのような番組になりますやら。ご期待ください。
************************************************************
絹:  では、初めに、前回の復習を少しさせていただきます。
 前回は、「センテナリオ物語(その1)」というタイトルでお話しさせていただきました。松岡さん、覚えておられますでしょうか。
 上京区に、少々風変わりなマンションがありますよ、と言うところからスタートさせていただきましたが、そこの地主さん、入居者は変わった人たちで、まずスケルトン・インフフィル住宅、コーポラティブハウス、というような切り口で、地主さんから土地を借りて、みんながお金を出し合って、建物を建てて、そこにコーポラティブ住宅を13家族が一緒になって造った、って言うようなお話をいたしましたですね。
松:  はい。
絹:  このコーポラティブの方式、さらにそこに定期借地権が絡んでいるんですけれども、かなり自由に、伸びやかな住宅ができるというお話をしましたし、長持ちをする、百年間プラスアルファの使い心地といいますか、使い手があると、言う建物の形式なんですよ、というお話をいたしました。
 実は、これはですね、日本でただ一つ此処にあるという訳では無くて、「つくば方式」という名前が付いているんです。
 で、今日は少し堅くなるかもしれませんけれども、その辺の情報についてまとめたもののお話をしようかなぁ、と思っております。

 それでは、何から始めましょうかねぇ・・・・
 ここに、2001年3月29日木曜日、ちょっと古いですが、「建設新聞」の記事のコピーがあります。
 読ましていただきますと、見出しがですね、
「スケルトン定借普及センター関西支部、オープン事業コンペを実施」とあります。
 
「エキスパートが京都に集結!公成建設が全面支援」と言うタイトルが踊っておりますが、初めのパラグラフ、
 「スケルトン定借普及センター関西支部、支部長 高田 昇(立命館大学教授)は、21日、キャンパスプラザ京都で、京都市上京区の土地所有者が検討をしている、コーポラティブによる、スケルトン定借マンションの事業コンペを開催した。
 このコンペは、スケルトン定借の関西での普及を加速させる為に、コンペの内容を一般公開した画期的な物で、国土交通省の小林氏や住宅金融公庫の竹井氏ら、スケルトン定借の第一人者が顔をそろえた。
 また、有料にも係わらず、一般聴講者ら、約90名が出席し、同方式への関心の高さを伺わせた。」
と有ります。
 さらに記事は続きます。
 「午後3時から行われたコンペではまず、同方式の生みの親である国土交通省建築研究所の小林秀樹氏が、スケルトン定借事業の仕組みについて講演。この中で小林氏は、同方式開発の背景として、
 1,高齢化社会を迎える中で、アパート経営の事業開発は、成立しにくくなる。
 2,町を活性化させる為には、定住人口と・・・
(定住人口とは、そこに住まう人たちのことですね。)・・・土地を手放さない・・・(ここが大事なんです!)・・・土地を手放さない土地活用が有効。
と言う点を挙げて、スケルトン定借では定期借地による、有効な土地活用と百年住宅と言う、相矛盾するテーマを両立できるんだ。」と述べ、その上で、「地主にとっても、低層階を自己使用でき、税金対策や百年建築での長期的利益など、ローリスク・ミドルリターンの経営が可能。」
・・・この「ローリスク・ミドルリターン」と言うキーワードも、松岡さん、覚えておいていただきたい・・・
松:  えぇ。えぇ
絹: ・・・・キーワードなんですよ。
松:  はい、覚えておきます。
絹:  「地主と社会の両方にメリットがある・・・(地主と社会、ここも大事なポイントだと思います。)・・・地主と社会の両方にメリットがある、21世紀の土地活用で、マンション形式による定借(定期借地)権経営の決定版である、と今後の可能性を強く訴えた。」
 記事とばします。中略です。
 「プレゼンテーションが終了後、土地所有者より参加者へのお礼と挨拶があり、『プライベートに関するものを公開コンペで見せることについては、大いに悩んだ。』としながらも、『スケルトン定借は中心市街地開発など、京都において役立つ方式であると信じている。』と公開に踏み切った意義を述べ、最後に『京都でも今後、何例か成功することを切に願う。』と同方式の市場展開に強い期待を寄せた。 このコンペは、最終報告として、3月末には事業者が決定する。
 尚、京都での第一号事例となった、スケルトン定借マンションのプロジェクトは、土地情報の募集〜事業決定までを公成建設が全面的にバックアップ。地域に根ざしたゼネコンの持つ情報力、人脈等のコーディネート能力をフルに発揮し、当プロジェクトの円滑な推進を支えている。」

 少々、持ち上げたような書き方をしてもらったんですが・・・

 少し退屈でしたか?松岡さん。
松:  いえいえ。とんでもないです、はい。
絹:  前回ですね、「センテナリオ物語(その1)」と言うことで、烏丸一条、上京区、西へ入ったところに有る、少し変わった建物がありますよ、って言うのは、このことなんです。
松:  あー、そうなんですか。これは三年前の記事ですね。
絹:  はい。こういう「オープン事業コンペ」と言うものを実施して、計画、設計を募集しました。
 それに企画段階から、我が社・・・どう言うんですかねぇ・・・プロデュサー的な役割・・・コーディネーター的な役割で、公成建設、その当時は「まちづくり推進室」は無いですけれども・・・
松:  ええ。
絹: ・・・・それのキーマンたちが係わっております。
 と言うことで、これが“つくば方式”の一部分の説明なんですけれども・・・・続けてやると退屈かもしれませんが、さらに“つくば方式”の説明をもう少し続けてもいいですか?
松:  そうですね。
 “つくば方式”ってなんだろう?という風に、これ今お話伺ってて思ったんですけれども。
絹:  あの、今の読みました記事の、建設省・・・旧建設省ですね・・・国土交通省の建築研究所、スケルトン定借の生みの親と書いてありましたけれども、この研究所がつくばに有るんです。
松:  えぇ。えぇ。
絹:  それで、このスケルトン定借と言うスキーム・・・と言いますか、この方法を愛称“つくば方式”と呼ばれています。で、我々“つくば”“つくば”と呼んどりますが・・・・
 正確にはですね、“つくば方式”は建物の・・・ややこしいですよ、漢字が沢山続きます・・・・
「“つくば方式”とは?これは正式に呼ぶと『建物譲渡特約付定期借地』言う方法であります。
 つくば研究学園都市にある建設省建築研究所が開発したところから、通称“つくば方式”とも呼ばれており、都市の住宅問題を解決する手法として注目を浴びています。
 簡単に言えば、最長の住宅ローンが終了する35年目に、土地オーナーが建物を買い取ることを前提に、定期借地権契約を結ぶ方式です。」

 もしも建築の事とかすごく興味があって、もっと詳しく知りたい人は、ホームページが有りますので、http://www.skeleton.gr.jp/、こちらで検索していただくと、さらに詳しい・・・あるいは建設省の建築・・・今の国土交通省ですが、建築研究所のホームページで勉強していただくと、さらに詳しい情報が分かります。
松:  あぁ、そうですか。絹川さん、今もう私、既に分からない言葉が出てきたんですが、「定期借地権」?
 「定期借地契約」って言うのは、どういう契約なんでしょうか?簡単に言うと。
絹:  はい。すごく簡単に言うと・・・
松:  すごく簡単に言って下さい。(笑)
絹:  はい。マンションを普通建てるときは、前回もご説明しましたけれども、デベロッパーという方がおられて、土地を買っちゃいます。地主さんから・・・
 それで、建物の設計だとか、マンションの価格設定なんかを行って・・・例えば、ある場所のこの1000平米の土地が有れば、ここに何十戸建つなぁ、と言う計画を立てて、で、自分達の広告宣伝費だとか、設計料だとか建設費だとか、幾らかかるから、そうだなぁ・・・・これぐらいの価格で売り出そう・・・、と言う形で宣伝して売っていくわけですね。
松:  はい。
絹:  ところが、この「定期借地権」って言うのは、土地を買いません。借ります。土地を買わないが為に、地代を払って土地を借り続けるわけですね、何十年と言う期間を決めて。ですから、土地を買う、買ってしまうよりも、実は安上がりなんです。
 日本人は、土地を我がものとして、買わないと安心しないみたいなところがありますけれども、土地を借り続けていても、30年とか50年とか土地を借り続けていたら、「所有権」と何処がいったい違うのかと・・・・
松:  そうですねぇ。
絹:  「利用権」と言う(言葉を)、利用してますけども、区分所有法のマンションと、ほとんど変わらないのですね、実態は。
松:  うーん、それだけ長期借りると、そういうことですね・・・・所有していることと同じだ、と言うことなんですね。
絹:  はい。で、この定期借地権の今回の“つくば方式”の考え方では、出来るだけ長く住むことを前提にしましょう、という形が編み出されました。
松:  はい。
絹:  続けて良いですか?
松:  どうぞ。
絹:  入居者のメリット、と言うところを読みますね。
 「安い価格で老後まで安心して住み続けられます。分譲マンションは購入時の・・・」あぁ、出てきましたね。「購入時の価格は高いものの、老後の負担が軽いため安心できます。一方、賃貸マンションの場合は、家賃は比較的安いものの、老後の家賃を支払い続ける事への不安が残ります。“つくば方式”では百年保つ構造と内装の自由度を確保する設計のため、建設費は分譲マンションより若干高くなりますが、土地を借地にすることにより、購入価格は・・・」
 ここですよ。
「分譲マンションの5割〜7割程度になります。又、老後についても持ち家並みの低い費用負担で50年から60年後まで安心して住み続ける事が出来ます。」
 第一段階、入居から35年目。これは一つのパターンです。色々バリエーションはありますが・・・一つのパターンとして申し上げます。
 「入居から35年間は、建物は持ち家となります。この期間は住宅ローンプラス地代の支払いとなります。もちろん持ち家ですから、途中での転売や転勤になったときの一時的な又貸し賃貸ですね、も出来ますよ。」
 第二段階。36年目から60年目。
 「35年後に建物を地主さんに売って、借地が終了します。期限付き賃貸マンションに切り替わっていきます。しかし老後となっている35年後では、高い家賃を負担しづらいと思われます。そこで、“つくば方式”では建物を売ったお金とその後の家賃を相殺できる仕組みを導入しています。この方式によってそれまで支払っていた地代、管理修繕積立金と同程度の家賃負担によって、持ち家感覚で安心して住み続けられる事が可能です。
 又、売却時には、借地保証金が返還されますので、室内の改装費等にも使うことが出来ます。」

 最後の第三段階です。61年目以降。
 「さらに25年後・・・・」61年目以降ですね。「・・には、家賃相殺契約も完了しますので、普通の家賃を支払う、賃貸マンションとして新規契約する事になります。」
 これが、圧縮して説明した“つくば方式”のエッセンスですけれども、今のところどうですか?やっぱり判りにくいですか?
松:  そうですね。判る様な気もするし・・・
 あぁ難しいなぁ、と言う感じも有るんですが、まずですね、この第一段階、第二段階、第三段階の、この年度は誰が決めたんですか、これは?35年という、まず第一段階ですねぇ。
絹:  これはねぇ、初め建設省(現在の国土交通省)の建築研究所で、色々方策、これからどういう風に国策として、それから日本の建物の寿命は、あまりにも短すぎると・・・
 で、環境問題とか資源問題・・・もっと長く住まいに・・・良質な住まいに長く住んでいく・・・それから、都心での集住というか住み方をですねぇ、新しい住み方って言う・・・・「今のマンションって、何であんなに長持ちしないの?」って言う問題意識から始まっているんですけれども・・・
松:  そうですねぇ。
絹:  “陳腐化しないマンション”って言うんですかね・・・・そういう形で仮に、テストケースと言いますか、こういう風に35年とか・・・
 35年というのは住宅ローンの一番長い、支払が終わる年度ですから・・・
松:  あっ、それはそういう風に決まっているんですか。
絹:  はい。これは契約書で、こういう風に決めて、雛形があります。
松:  はい。
絹:  誰が決めたかというと、そういう“つくば方式”と言うこういうスキームの中に、標準的なプラントして、こういう風に決めてあると・・・
 別にこれは変えても良いんですよ、と・・・・50年という風に変えても良いし、それはその時々で変わります。ですから、これは、標準の計画なんです。
松:  あぁ・・そうですか。はい。
絹:  さて、ここでですねぇ。
松:  はい。
絹:  前回、一条烏丸西入ルのおもしろい、ちょっと変わった住宅の話からスタートした・・・今日ちょっと難しく、話がいきなりつっこんで行きましたけれども・・・
 (ここで)告白しないといけないんですが・・・・
松:  告白ですか。(笑)はい。
絹:  あのぉ・・・ある地主さんが、と自分で言ったんですよね・・・
 ある地主さんが、13の家族と一緒にと言う風に、このプロジェクトをスタートされました、と言いましたけれども、その地主って言うのは私自身なんですよ。
松:  あらっ、そうなんですか。(笑)はい。これは驚きました・・・
絹:  しかも私は地主でもあり、公成建設がこれを施工しましたので、施工者でもあり、で、入居者でもあり・・・
 私、一階と地下に住んでますから・・・
松:  そうなんですか・・・(笑)
絹:  さらに言いますと、この計画自身のプロデューサーと言う役目も果たしてますので、4足のわらじを同時に履いてしまったという、えらいことをしてしまったんですけれども・・・
松:  えぇ。
絹:  今の言葉、これは建設省(国土交通省)のパンフレットから抜き出した言葉なんで、ちょっと判りにくかったと・・・・
松:  そうですねぇ。
絹:  で、もう一回、私の言葉でかみ砕きますね。
松:  そうですねぇ。それぞれにとって、どうメリットがあるのか、と言うことを、じゃぁ判りやすくお願いします。
絹:  私は“つくば方式”の柱は、三本有ると理解してます。
 一つは、先ほど申し上げました様な、スケルトン・インフィル。スケルトン=骨組みは丈夫に作って、大事に使って百年以上持たせるぞ。それから、インフィル、内装の部分ですね。内装の部分は、更新しやすい様に考えていこう。
 10年や20年、30年で駄目になっちゃう様なものじゃなくって・・・大体設備って言うのは30年で寿命が来ます。だからそこで設備の更新をし易い様な設計をちゃんと組み込んでおこう。
 それから、“つくば方式”の二本目の柱は、“コーポラティブ”と言う考え方です。
 この頃いろんな住宅番組などで取り上げられる様になりましたので、ご存じの方も多いかと思いますけれども、これは、建物を造る前に入居する人を先に集めてしまおう、と言う逆転の発想だってこの間お話ししましたね。
松:  はい。
絹:  で、農作物の“産直”みたいな感じで、建物も“産直”みたいな考え方で、自分達で造ってしまおう、と言うこだわった人たちの集まりが、こだわった建物、自分の、自分だけの住まいが造れますよ、と言う“コーポラティブ”の柱。
それから、三本目の柱が、ちょっと判りにくい“定期借地権“の考え方です。この考え方については、私は個人的には非常に魅力を感じました。
 “絹川”という、私個人の中でですけれどもねぇ。
 地主としての“絹川”。建設会社としての“絹川”。それから、入居者としての“絹川”が先ほど言いましたとおり居ります。
 この三人の内それぞれが、三人が三人とも、このプロジェクトは魅力的だと感じたんです。
 で、まず、建設会社にとっての“つくば方式”って言うのでちょっと話をさせて下さいねぇ。
松:  はい。
絹:  ずっと“コーポラティブ”という仕組みに興味を持って勉強しておりましたけども、建設会社として、「仕事として請け負うには危ないかなぁ」と言う思いも長いこと持ってたんです、実は・・・
松:  どんなところが?
絹:  と言うのは、“手間”がかかりすぎる・・・・
松:  でしょうねぇ。
絹:  普通のマンション建てるときでしたら、例えば20戸、30戸有ったら、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプと言う標準の平面プランを作って・・・
松:  そうですねぇ。
絹:  五階建てぐらいでしたら、一階も二階も三階も四階も同じパターンでザーと工事すれば・・・
松:  まぁパターン化されてるという形ですよね。
絹:  でも今回の建物を見学していただいた方はご存じだと思いますけども、皆さんこだわって、扉の一枚から全部違います。
松:  この前そういうお話有りましたね。はい。
絹:  建物に対して、こだわった方が入られますから、「バスタブ一個、扉の一枚、自分の好みのものを入れたい」とおっしゃいますし、例えば普通のマンションだと、前回も申し上げましたが、完全な防音室を後から付けるのはちょっと難しいけども、「ピアノのプロを目指すから完璧な防音室が要るよ」と言う注文を受けましたし、今回の“コーポラティブ”じゃぁないですけども、前のやつは長野県の古い住居から、立派な梁を取ってこられて、「我が家の処に囲炉裏を切ってくれ!」・・・
松:  あぁ、いいですねぇ。そういうことも出来るんですか。
絹:  やりました!出来ます!はじめっから計画すればね。
 それから、私みたいな“変わりもん”は、「一階と地下のメゾネットにして、合気道の道場を造るんだ!」とか訳の分からんことを言い出す人もいるわけです・・・
松:  あっ!それはご自身のことだったのですね。そうなんですか。(笑)
絹:  これはね、手間がかかって、仕事としてやるには大変だと思ってましたけれども、世の中が変わって参りまして、お客様の意識が変わってきた。
 普通の建物では、やっぱり飽き足らない、と言う方が増えて来られているんじゃないかな?と言う気がしてます。
松:  与えられるんじゃなくって、自分の家を自分で考えると・・・。はい。
絹:  前回も申しましたとおりに、建設会社としては建物を造ってお納めするのが仕事で、それだけで、現場を静かに去るのが当たり前なんですけれども、“コーポラティブ”で言いますと、少し格好の良い言い方ですけれども、ご近所づきあいの種を“ちょこっと”撒くお手伝いが出来る。コミュニティーに少しだけ係わって、「失礼します。」と言って、立ち去る建設会社がいても良いんじゃないかなぁ、って言う、非常にロマンティックなことを思った訳です。
 それで、地主としての私ですけども、あのこれ、非常に“地主”として魅力的だったのは、非常に・・・これあんまり綺麗な言い方ではありませんけれども・・・
松:  えぇ。えぇ。
絹:  はしょった言い方で言いますと、「人様の褌で相撲を取らしていただける」と言うことです。
松:  と言いますと、どういう事でしょうか?
絹:  はい。“地主”としての“リスク”が少ない。
 さっきキーワードとして覚えて下さいと言いました、
「ローリスク・ミドルリターン」だ、と言う言葉なんです。
 私は“大家さん”ではないんです。“地主”なんです。
 “地主”である私も、自分の建物のお金は、銀行から借りて払います。
 入居される他の12家族の人達も、それぞれ自分達のお金で建物を建てられるんです。
松:  はい。
絹:  ですから、「みんなでお金を出し合って、自分達の城を造ろうぜ!」と言うプロジェクトですから、普通の建物の様に“地主”さんが全部銀行から借りて、建物をドン!と建てて、人に入ってくれ、買ってくれ、って言うやり方じゃぁない。
 しかも、“定期借地権”と言う方法を用いてますので、61年に渡って“地代”を頂戴できる。左うちわで地代をいただける訳ですねぇ・・・・
松:  そうですね。良いですね。
絹:  はい。しかも保証金と言うことで、無利子で沢山のお金を出て行かれるまでは預からせていただける。
 で、そのお預かりした保証金で、相続税対策とか他の借金返そうかなぁ、なんて事も出来ます。
松:  えぇ。えぇ。
絹:  さらに、入居者にとっての“つくば方式”のメリット。
 これは普通の大きなマンションで、「鉄の扉を閉めたら、隣は何をする人ぞ?」と言う何か隔絶された様な建物が多いですし、そういう仕事も私ども確かにやらしていただいております。
松:  そうでしょうねぇ。
絹:  けど、仕事はやりますけれども、入居者としてはどうなのかなぁ?
 顔は判っている人たちと一緒に、ものを造っていくと言うやり方。しかも“地主”がそこに一緒に住んでると。“大家さん”じゃないけど“地主”も一緒に住んでると言う、これは入居者の安心に繋がると・・・・私も今住んでいるところですね、「センテナリオ」ですが、13家族の家族構成から、顔から全部判っています。
松:  はい。
絹:  「おはようございます。」なんて挨拶は当たり前で、「ただいま。」と言って帰ってくる。
 味噌や醤油の貸し借りじゃないですけれども、「ちょっと、あの、お裾分けです。」「パイナップル沢山もらったので、要りませんか?」とか、或いは「餃子沢山造ったんで、餃子パーティやらない?」とか言って、上の奥さんから声がかかってくる・・・・
 そういうのが、入居者にとっての安心に繋がるのかなぁ・・・
松:  そうですねぇ。普通の分譲マンションだと、なるべく隣とは関係を持たない、と・・・その方が良いんだ、って言う・・・そういう感覚有りますよね。全くそれとは逆ですね。
絹:  逆ですね。
 セ□ムだとか機械を使った・・名前出しちゃいけなかったのかもしれませんけども・・・セキュリティというんじゃなくって、家族同士がみんな顔見知りであることの、人の目によるセキュリティ・・・13家族の中にはもう既にコミュニティの芽が出ておりますので、そういう安心感・・・しかも“大家さん”が・・・“大家さん”は違います。間違いました・・・“地主”が一階に住んでいる訳ですよね。
 この人は・・・これは百年プロジェクトですから・・・この“地主”は、その建物をそれだけ長いこと続けていこうと言う覚悟の基に造っていると・・・
松:  えぇ・・
絹:  この人は途中で逃げ出さす訳がない、と言う安心感も有るわけですよね。
松:  あぁ。じゃあ後、何があっても責任を持ってくれるだろう、と言う事なんですねぇ。そういう安心が有る。はい。
絹:  人の繋がりとしての安心感て言う事が、入居者にとってのメリットじゃあないかなぁ?と僕は思います。
 他にもメリットはたくさんあります。
 格安の・・・分譲のマンションに比べれば安く入れる。利口に入れる。自分のこだわりが造れる・・・色々あります。
 最後に一つだけ、言っておきたいのは、“町にとってのメリット”です。
 今回の“つくば方式”は、容積率200%の処をですねぇ、167%に押さえました。33%容積率を削減しているんです。
松:  はい。
絹:  それでも事業が成立するよ、と言うところ・・・これが町並みに対する貢献と言いますか、“つくば方式”“定期借地権”を用いて、事業性を確保しながら、容積率を法律で許されている100%、キリキリ一杯、利用せずに33%もカットした状態で、事業を成立させている・・・・
松:  はい。
絹:  ここがミソです。
松:  それは、それだけ空間が残されている、と言うことなんですね・・・
 もう絹川さん、番組が終わりですよ。
絹:  そろそろ・・今日も時間が来てしまいますね。
松:  もう、さよなら言わないと・・・時間がないです。
絹:  はい。
松:  皆さんさよなら。
絹:  失礼しま〜す。(笑)
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